こんにちは、しみしょーです。
高校・大学時代の同期と会うと、最近はよく就活の話をします。
やっぱりみんな思うこと、たくさんあるみたいですね。
辛い思いをしている人も多くいます。
そんな時、救われるのは体験談なんじゃないかと僕は思ってます。
僕自身大学をやめるときは多くの体験談をネットで読みました。
体験ってやっぱりどんなアドバイスより参考になります。
ということで今回はエッセイです!
就活でパニック障害になり旅に出ちゃった著者の渾身の一作、紹介していきます!
『傷口から人生。 メンヘラが就活して失敗したら生きるのが面白くなった』 (幻冬舎文庫)
『傷口から人生』の内容は?小野 美由紀さんのデビュー作!
小さいころから自傷を繰り返し、家族とはうまくいかない。
大学時代は仮面浪人、キャバクラでバイトに明け暮れて…
そのあと、努力して最強の経歴を作り上げる(インターン・TOEIC高得点など)が、就活に失敗。
原因はパニック障害だ、と診断される。
そんな中、ふと思い立ってスペインの巡礼路を歩くことに。
その間に気付いたこと、考えたこととは。
はちゃめちゃで苦労の多い人生を送ってきた著者のデビュー作となるエッセイ。
背伸びしすぎた代償。就活の失敗
前述のとおり、著者は就活でパニック障害になってしまいます。
ご自身でその原因を考察されてます。その中から一部を紹介します。
私は本来、人に合わせるのなんて、全然、得意じゃない。(中略)
何をやるにしたって、人の倍ぐらい時間がかかる。
でも、それじゃあ就活で内定をもらえない。
そう思っていたから、私はあんなにも無理してきた。
きびきびと、人と足並み揃えて、協調できる私。空気の読める私。人より先に、考えて、答えを出せる私。
そうやって、空気の人形みたいに、理想の私を作り上げて、それで勝負しようとしていた。
でも、それは、ウソなのだ。
(p40 太字は引用者)
大学生時代の著者はかなりアクティブ。
飲み会ではキラキラとした笑顔を振りまき、行く先々で新しい人と繋がれる。
SNSでは仲間も多い。英語もできて、留学経験もある。
でも、それは本当の自分ではなかった。
私は就活が嫌だったから、続けられなくなったんじゃなかったんだ。
うまくいかなかったのは、社会とか、システムのせいじゃない。
ただ、私自身が私にウソをついていたからだ。
私は天才的なウソつきになろうとしていた。自分に対する、天才的なウソつきに。
自分の本当の気持ちを抑えて、思ってもないことを言う。
それは自分をゆっくり殺してるんじゃないかと僕は思います。
自分のまっすぐな気持ちに従えたら、いい人生が送れる気がします。
あなたはどうですか。
『傷口から人生』を読んで。「大人は感情を抑えるべき」は本当か?
感情は抑えるべきか?
著者は就活をあきらめ、スペインで巡礼の旅に出ます。
様々な人と出会い、話をしたそう。
そんな巡礼中には、感情を爆発させる人を目にすることが少なくなかったとか。
- 号泣する人
- 酔っ払い
- 殴り合うカップル…
その中の、ヘイガーという人の言葉をここでは紹介します。
たとえば、人がぎゅうぎゅう詰めの地下鉄や、モノがいっぱいに溢れて押しつぶされそうな大都会で、自分の感情と落ち着いて向き合うのは難しい。(中略)
そのうち、自分の感情を否定しはじめる。(p78)
彼らは、祖国で抱えている思いを開放させ、それと向き合うために、巡礼をする。
そんな中で出てきた彼の結論を引用します。(マーカーは引用者より)
この道中、俺は度々大声で泣いたし、恥ずかしいけれど、怒りをぶつけたこともある。
でも、大丈夫なんだ。
それが心の奥底からの本当の感情なら、必ず誰かが受け止めてくれる。
それに、そうしてみて、思うんだ。
自分の国で、出さないように抑えていた感情は、本当に我慢すべきものだったんだろうか?って (p78)
これを読んで、あなたはどうおもいますか?
僕は、すごく共感しました。
僕の場合。メキシコ人ワーカーに学んだこと
というのも、僕もアメリカで似たような経験をしたからです。
(僕の簡単な経歴はこちら↓)

農業研修という形で15ヶ月間農家にいたのですが、そこではよく感情を爆発させました。
日本人1人だったというのが大きい理由ですね。
ただそれよりも、メキシコ人ワーカーに影響されたことが多かったです。
あの人たちは本当に喜怒哀楽が激しいんですよ。
いつも陽気に仕事をして、時々うまくサボる。
理不尽には声を大にして怒り、辛いときは皆で励まし合う。
一緒に働くうちに、僕も次第に感情を出すようになり、楽しく働くことができました。
溶け込みすぎて、外部のメキシコ人に同郷だと思われたこともあります😓
で、その時と日本にいた時の自分を比べると思うことがあるわけです。
「アメリカ時代の方が人間らしい暮らしをしていたんじゃないか?」
それは、多分先のヘイガーの言葉が答えです。
こんなひとにおすすめ
- 周りに合わせるのがしんどい人
- 就活生
- 海外経験のある人
- 旅好き
評価 総合…★★★★★★★★★☆(9点)
読みやすさ…★★☆
面白さ…★★★
ためになるか…★★
好み…★★
あとがき
人間ってほんとは一括りにはできないはず。 でも就活ってそうじゃないって感じる人も多いですよね。
乗り切るのは、いい意味で突き抜けるか、うまく溶け込むかだと僕は思ってます。
(僕は大学中退ですがインターン3ヵ月の経験があります)
それに乗れない人はふるい落とされてしまう。
じゃあその人はもうダメかっていうとそんなことないですよね。
著者はその好例だと思います。
人と違う苦労や経験をしてる人って、人間的な深み、厚みが違う。
苦労した人にしか分からないことって絶対にあるんですよ。
僕も深みのあるそんな1人でいたい。
色々な人と認め合いながら生きていきたい。
そんなことを読んで考えました。
ぜひ、共感するところがある人はこの本を読んでみてください。
「あ、自分だけじゃないんだな」そう思えます。
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