小説『何者』(朝井リョウ)のあらすじと感想!就活する前に読んでおきたい一冊!

こんにちは、しみしょーです。

今回は、朝井リョウさんの『何者』をご紹介します。

僕は初めてこの本を読んだとき、文字通りなにかで殴られたような気分になりました。
就活生、将来就活をするひと、就活を経験したひと…そんな全ての人に読んでもらいたい、そんな一冊です。

直木賞も取っていて、映画化もされたらしいので、聞いた人も多いはず。

それでは、『何者』のあらすじと感想をみていきましょう!

小説『何者』のあらすじは?就活に苦悩する現代の学生のリアルな姿。

大学生の主人公と友人は就活生です。

対策や情報交換を通じて、お互いのことを知っていくが、肝心の就活はなかなかうまく進まず…。

クリエイター志望、意識高い系、自由人…十人十色の個性を持つ仲間たち。

彼らの就活と、残りの大学生活の物語です。

小説『何者』の感想と考えたこと

「意識高い」ということばって?

『何者』では、意識高めの女の子、理香が登場します。

ボランティア・留学・学祭実行委員…そういうのをコンプリートして、名刺を作ってSNSで志望企業のOBOGにメッセ送るような女の子。

ちょっと必死すぎて、周りから見ると、痛々しく見える、そんな描写がされています。

実際、彼女は友人に笑われています。主人公の友人と、主人公拓人との会話。

「アレぜってえ仲間内でネタにされてるよ。意識高い就活生がツイッターでからんできてさー、とかいわれてるよ」

「なんか学級委員長がそのまま大学生になったって感じだよな」

「それ!俺、ガキのころから学級委員系女子のこと笑ってたもん!さっすが拓人、いつもの分析が冴えますなあ」(文庫版p185)

意識高い系って、行動だけで、中身がともなってない場合に笑いものにされることが多いです。

また、ちょっと斜に構えてる人には絶好のからかいネタ。

僕も「意識高い」とよく言われたけど…

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大学生1,2年生の頃の僕は、友達に言わせると、「意識高め」でした。

今思い出しても、こんな感じ。

  • サークルは2つかけもち。出席率もトップクラス。
  • 農家・社会人などと絡むのが好きだった。
  • 夜は図書館で20時まで勉強。
  • 英語の特別クラスに参加。
  • 自己啓発本大好き。

これは将来が(社会に出るのが)とても不安だったから、焦りでやっていたことです。

人と上手く関わらなきゃ、英語できるようにならなきゃ、希望の学科にいかなきゃ。

僕は焦り過ぎてたのかもしれません。

バドミントンサークルの同期とは本当に話が合わなかった。

「てきとーにやっとけばなんとかなるでしょ?なんでそんな意識高いの?ww

毎日こんな感じ。(なんでお前らそんな楽観的なの?とも思ってましたが)

「意識高い」の使い方って??

そんなこともあり、僕は「意識高いね」と無責任に使うのが好きではありません

将来のことを考えて行動してる人もいる。

分からないなりにもがいてる人もいる。

その人のことを分かりもせず、「意識高い」とひとくくりにするのはちょっと乱暴だと思います。

ちなみに三省堂大辞林によると、「意識高い」とは…

意識が高・い

ある事柄に対して強く意識している。ある理念をよく理解している。 「環境問題に関して-・い」

なので、理解をおろそかにして、行動だけの人が意識高い系と笑われるのも、分からなくはないですが…

批判だけで気持ちよくなっていないか。自分を省みることはできているか。

先ほど意識高めの理香を笑っていた、主人公拓人。

彼は分析が得意、想像力がある、と自分のことを評価していました。

先の引用文でも、分析が冴えてるね、と友人に褒められてご満悦でした。

ただ、就活がうまくいかず、物語は終盤へ。

理香と会話をするなかで、ものすごいしっぺ返しをくらいます。

(ここが一番いいところなので、一部にとどめます。)

「あんたは、誰かを観察して分析することで、自分じゃない何者かになったつもりになってるんだよ。そんなの何の意味もないのに」

(中略)

「自分は自分にしかなれない。痛くてカッコ悪い今の自分を、理想の自分に近づけることしかできない。

みんなそれをわかってるから、痛くてカッコ悪くたってがんばるんだよ。カッコ悪い姿のままあがくんだよ。

だから私だって、カッコ悪い自分のままインターンしたり、海外ボランティアしたり、名刺作ったりするんだよ」

(文庫版p309,310 太字・改行は引用者)

僕はここで泣きそうになりました。

どこか自分をこのセリフが肯定してくれたような気がしたからです。

でも、同時に、自分も人の批判だけして気持ち良くなってないかと、自省しました。

  • 代案もないのに、批判ばかりしていないか。
  • やってもいないことを、常識にとらわれて否定してないか。
  • 見てもないのに、結果が分かったようなそぶりをしていないか。

就活がテーマのこの小説ですが、就活にとどまらず、多くのメッセージを放っています。

大学生の今、SNSの使い方、人生、理想の自分…

ちょっとでも興味が湧いたら、ぜひ読んでみて下さい。損は絶対しません。

小説『何者』はこんな人におすすめ!

  • 就活生(面接の前の日などはおすすめしません。余裕があれば)
  • 大学生
  • 新社会人
  • 社会に不満がたまっている人
  • 「就活なんて、楽勝だろ?俺の時代はな…」と語りだすおじさん

評価 総合…★★★★★★★★★☆(9点)

読みやすさ…★★☆

会話が多く、身近なないようなのでサクサク読めました。

ちなみにあなたが就活生ならおそらく☆☆☆です。

面白さ…★★★

最後にサプライズもあるのでおすすめ。

ためになったか…★★

自意識過剰が少しなくなりました笑

好きか…★★

ぶんなぐられた気分になったけど、好きです。

まとめ

いかがでしたでしょうか。

ここまで、『何者』のあらすじと感想についてお届けしてきました。

個性が大事、夢を持てと育てられた、わたしたち、いわゆる「ゆとり世代。」

ただ、会社などの組織では、個性と同時に、一種の同質性が求められます

その葛藤を描いた素晴らしい作品だと思います。

大学生に配って回りたいですね。

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